2003


03/12/28(日)                   日高

 富良野で、朝一番のフリーフライトを終えて、今日は日高へ係留気球の出張や。

 乗るんは、道内一円の子らと、はるばる富山からやってきた子らと、全部で約50名の子供たち。
 はじめたんは13時過ぎ。ちょっと風は強いねんけど、どうにかできそうや。
 パイロットは松原。立ち上がったんはええけど、ちょっと風が強くて、とりあえずは待機状態。
 待っているみんなに、気球のあれこれをレクチャーしてる間に風もおさまり、GO!

 風の合い間をつくように、結局全員乗れてメデタシメデタシ。
 嬉しそうな子供達の笑顔を見てると、商売関係なくなってくるな〜。

 でもね、実は最後に関係者の大人たちが乗った時が、子供たち以上に一番盛り上がってたんですけどね。







03/12/24(水)                            ツルツル
 相変わらず、気温の高い日が続いとります。
 気温が高いと雪はとける。
 陽が落ちると気温が下がるんで、とけた雪が凍りよる。
 そんなんの繰り返しで、路面は笑かしよるくらい、よく滑らはります。

 凍った路面ちゅうても、-20℃くらいまで冷え込んでくれたら、もうあんまし滑れへんねんけどな。
 スタッドレスタイヤのCMでも言うとるが、実は滑らしとんのは水なんで、冷え込んでると路面がとけへんから、ドライなわけやね。
 気温がプラスやとただのウェット路面やし、危ないのは0℃〜-5℃くらいやな。
 ほんでそのちょうど危ないような気温が、このところ続いとるんですわ。

 ここ、見て分かるように、カーブでもなんでもない単なる直線道路や。
 そんなとこで、こんな事になる事もあるちゅうこっちゃ



03/12/18(木)                             冬山ガイド試験
 同じ業界の人は皆知ってると思うけど、北海道ではアウトドアガイドに、資格制度をもうけている。
 カヌー・ラフト・乗馬などいろんな分野があるねんけど、今日はその中でも受験者数が極端に少ない(今回は4名)、山岳の冬山分野の実技試験に、ヘルパー(主に記録係)として行ってきました。
 場所は十勝連峰の中腹、標高約1000mの場所にある「白銀荘」。かつて中谷宇吉郎氏が雪の研究のために滞在していたという、由緒正しき温泉なのだ。
 しかしこれでホンマに試験ができるんかいな?と心配になるほど雪が少ない。
 白銀荘の人の話では、こんなに雪が少ないのは、15〜16年ぶりくらいとのこと。

 試験官は、ワタクシも夏山の試験でお世話になった「マウンテック・大橋」の大橋氏、「ノマド」宮下氏
 そして、「HTB(北海道テレビ)から、取材のカメラマンが同行するから」と聞いていたが、そのカメラマンが、なんと阿部幹雄さん。
 この錚々たるメンバーに、受験者の緊張は、いやがうえにも高まるはずや。

 試験は入山前審査から始まる。
 まずは「雪崩試験」。これは、主にビーコンによる捜索、制限時間は7分。そして制動試験と続く。
 それからいよいよ入山試験。登りで1つ、下りで1つ、各人2つづつのタスクをこなしながら行くのは、夏山試験と同じやな。いつもならどこでも滑れるこの辺も、雪が無いので今日は登山道1本しか歩けない。
 写真は、足をいためたお客さんを搬送しているところなんやけど、見てください、この笹。
 ノマド所属の彼は、師匠の宮下氏の見守る中(やりにくそ〜)、ツェルトによる搬送を選んだ。こうして見ると、なんかオロクを運んでるようにも見えますな。
 下山後は、30分の昼飯休みを挟んで入山後試験。室内でのインタビュー形式によるレスキューと地図読み試験で、すべて終了。
 受験者の皆さんは、札幌・羅臼(!)・斜里(!)と遠くからきているせいか、せっかくの白銀荘の温泉にも入らずに、とっとと帰らはりました。お疲れさまでした〜。







03/12/14(日)                           今季初フライト

 今日は、今シーズン初の熱気球フライトだ。
 今日のお客さんは、なんと札幌からやってくる。
 ちゅうことは、飛べるかどうかの気象判断をする前に、札幌を出て富良野に向かわないと間に合わへんので、もし飛べへんかったら、無駄足と言う事になる。
 昨日見た天気図ではまずまずいけそうやってんけど、こればっかりは蓋を開けてみんとわからへん。

 で、今朝やねんけど、快晴で風も穏やかという絶好の気球日和となりましたがな。
 お客さんも嬉しいやろけど、パイロットのワタクシも、久々のフリーフライトはやっぱり穏やかなほうが気持ちが楽ですな。
 今日の風は、偶然にも我家のほうへ気球を運んでくれまして(途中からちょっと狙てたけど)、何と我家を真上から撮る事ができました。
 赤い屋根が母屋で、上が納屋。はるか上空から家並みを見てると、この中に人々の暮らしがあるなんて信じられへんくらい小さく見える。
   






03/12/12(金)                                      きたきた〜っ!
 やっときましたよ、-20℃の朝。
 両手を握って「よしっ!」て感じですな。

 でまあ冷え込んだんはええねんけど、十勝連峰方面では雪が足りまへん。
 右の写真は標高1000m付近の様子やねんけど、ごらんのとおりのありさまで、まだ「クマイザサ」が出まくっとる。
 スキーを持って下見に行ったんやが、夏道の上は何とか歩けたもんの、ためしに少し道をはずして滑ってみたら、たちまち深いトラップにかかってしもた。
 立ち上がろうと思てストックをついても、どんどんめり込んでいってしもて、なかなか立てまへん。
 これではツアーもできそうにもありまへん。

 
 ここらの人の話では、年内はドカ雪が見込めそうも無いらしい。
 正月には滑れるじゃろう、て言うてはります。

 
 






03/12/7(日)                            雪だるま

 4日にようやく降り始めた雪は、夕べから勢いを増して、何とか根雪に持ち込めそうや。
 なんせここらには、うちを含めて「冬場は雪降ってなんぼ」ちゅうような商売をしてるとこが多いんで、なかなか雪が降らんと、「まだかいなぁまだかいなぁ」言いながら空を眺めつつ、弱気なため息の一つもでてきよる。
 
 でもまあこれぐらい積もると、まずは一安心。しかもまだ気温が高いのでこんなに立派な雪だるまが作れました。
 気温が-20度ぐらいになりますと、雪がサラサラで固まらへんので、雪だるまなんぞを作ろうと思たら、水をかけて雪をぐじゅぐじゅにしながらでないと作れまへん。
 そんな場所柄やのに、十勝連峰の中腹、標高1000m付近にある温泉「白銀荘」前には、冬場になると立派な雪だるまがたくさんお目見えする。
 不思議に思て、作り方を聞いて驚きました。
 なんと「雪だるま製造機」というもんがあるんです(ホンマの話)。これは雪だるま型の金枠がありまして、そこに雪を詰め込んで水をかけて一晩置いておき、固まったところで金枠をパッカ〜ンと二つに開いて出来上がりという、まるで人形焼方式みたいなもんでした。

 そんなもんを本気で作ってしまう大人がいるって、ちょっとええでしょ?






03/12/4(木)                            チョウセンゴミシ酒
 10月4日に、飲み頃を迎える3ヵ月後には、おそらくもうおまへんやろな」て言うてたチョウセンゴミシ酒。
 頑張りました、我慢しました、ちゅうわけで、9月4日に仕込んでからめでたく3ヶ月がたちました。
 やっぱ、待てと言われておるモンは、待たんとあきまへんなぁ。
 10月に飲んだときには、少しガムシロップを加えて飲んだけど、もうそんな必要はおまへん。
 ガムシロなんかは足元にも及ばんほどの、天然の上品な甘味が加わっとる。
 果報は寝て待てちゅうけど、果糖も寝て待てちゅうこっちゃね(うまいね!)。
 
 我家には他にも、3年もんのマタタビ酒やとか、ドクダミ酒やとか、キトピロ(アイヌネギ)酒やとかがあるねんけど、どれもこれもうまいのはうまいねんけど
個性が強すぎて、全然へれへん。

 それに比べるとこいつは、色もそうやけど味もアセロラにそっくり。爽やかな酸味があって、なんぼでもいけまっせ!






03/11/28(金)                             部屋の窓から

 我家の部屋の窓から見た風景は、こんな感じ。天気のええ日は大雪の山々が一望できる。
 この景色を手に入れてから丸6年が経ったけど、飽きまへんな〜。
 出勤途中にまだ感動する事あるもんな〜。
 仕事柄、どえらい早朝に出勤したりする事もあるねんけど、これがまたええんやわ。
 そんな時間帯に起きてないと、絶対に見られへんかった景色に出会えたりする。
 -30度、びしっと冷え込んだ朝、川霧、霧氷の白樺、芦別連峰のモルゲンロート、ダイヤモンドダストにサンピラー、十勝連峰をバックに浮かぶ熱気球。
 寒いけど、かまへんかまへん。
 ちょっと眠いのもかまへんかまへん。
 この景色と引き換えやったら、そんなもんなんでもあらへん。
 
 この冬もいくつかのそんな景色に出会えるやろと思う。
 うまく写真に撮ることができたら、ここにUPして、皆さんにもおすそ分けしたいと思とります
 



03/11/22(土)                               路上カラオケ

 行ってきましたよ、最近ニュースで話題になっている、大阪は天王寺の路上カラオケ。
 ここでは、朝も早くから「ええ感じ」のみなさんが、めちゃくちゃ楽しそうに歌い踊ってるんですわ。
 時刻は午後2時、数あるお店の中から選んだんは、もうすでに「ゴキゲン」にできあがっているメートルオヤジから「歌ていってやぁ」と声がかかった、カラオケ店「マユチャン」。
 歌いましたよ「女のみち」宮史郎とぴんからトリオ。ワタクシ、本気で歌っております。
 エコーの効きまくった歌声は、青空に吸い込まれ、「マユチャン」は手拍子で、後ろのオッサンは「うまいなぁ」言うて盛り上げてくれよる。ごっつええ気分になれて1曲¥200なら安いモンや。
 ところがこの路上カラオケ、道路を不法占拠しておるによって、行政が撤去せよと言うとるらしい。

 あほな事言うなっちゅうねん。これこそが
文化ちゅうもんちゃいまっか?

 通行の邪魔?見て分かるように全然そんな事ないやんか。
 うるさい?すぐ横を走っとる国道の騒音に比べたらカワイイもんやんか。
 それよかね、左に見えとる壁、これなんかわかりまっか?天王寺公園をぐるっと取り巻く壁ですわ。
 ’90年の大阪花博の時に、当時この公園をねぐらにしていたホームレスを締め出し、小賢しい噴水やら花壇を作って有料化(¥150)してしまいよった。
 こんな風に、なんでもかんでもうわべだけ小奇麗にしたらそれで良し、ちゅう民度の低い考えで、今またひとつの文化が消え去ろうと、いや消されようとしてるのはたまりまへんな。

 これだけで、十分観光客を誘致するネタになるのにな〜と、「北の国から」終了後の観光ネタを模索する観光地で、観光業に従事するワタクシなんぞは思ってしまうのですが。




03/11/20(木)                                          アイスカー

 今年は冬がやってくるのが、ちょっと遅めみたいやねんけど、今朝はマイナス5度。やっとこさぼちぼち冷えてきましたわ。
 こんな朝には、車がアイスカーになってますな。カチンカチンですわ。
 ドアを開けると「バリバリ」ちゅうてえらい音がしよります。
 スライドドアの車は、開けるのにも一苦労する事もありまっせ。
 ほんまは、ワイパーは立てといたほうがよろしおま。窓に張り付いて、どんどん劣化しよるからな。
 さらに季節が進むと、今度はスノーカーのおでましや。
 朝庭へ出てみると、なんとなく車のような形をした雪山があり、その中から車を掘り出して出勤するんですわ。
 マイナス20度を越えると、「エンジンかかるかな〜?」てドキドキしますな。
 そんな季節がもうすぐやってきよります。




 03/11/19 (水)                 ツリークライミング

 朝のうちはガスってたけど、快晴。
 今日はツリークライミング2日目、いよいよ実際に木に登る。
 一般参加者は、10時からレクチャーを受けて登り始めた。
 わしもやったことあるねんけど、見てるとほんまにおもろそうや。
 またジョンさんのトークちゅうか、あおりもゴキゲンですわ。
 10人ぐらいが一組で、1時間ぐらいかける。
 見てるうちに、やっぱりやりとーてうずうずしてくる。じっと見てたら寒うなってきよったしな。
 しかし今日は記録係でビデオを回しとるんで、ここはじっとがまんや。
 3組目が終わって、さあ撤収かいなと思てたら、「なんやったらやってみるか?」ちゅうてお声がかかる。
 おうおう!やりまっせ、やらいでかいな!ゆうて威勢はええねんけど、実際登ってみると、チョと怖い。
 一般のお客さん相手とちごて、下でサポートしてるスタッフも無茶しよる。下でロープをぶんぶん振りよる。
 いや〜、でもきもちええもんでっせ、ホンマ。
 機会を作って、絶対やってみたほうがええで、これほんま。



03/11/18(火)            ツリークライミング

 ジョン・ギャスライトさんによる、ツリークライミングの講演会が富良野人材開発センターでおこなわれた。
 名古屋在住で、奥さんが日本人のジョンさんは、日本語も堪能で、話術もバッチシや。
 笑かしながらも、ツボを押さえた話は、聞いてるもんをどんどんひきこんでいきよる。
 しかしなんでしょうか、この原色のシャツ。HPにも、原色オレンジのシャツを着ている写真があった。
 よく見ると、ネクタイもそうとうなモンですよ。
 どこで売ってるんですか〜?
 もしかしてオーダーメイド?









 03/11/17 (月)                       初積雪


 朝起きたら、一面の銀世界。
 今年もまた雪の季節がやってきましたがな。
 ただ気温が0度もあるので、まだ根雪にはならへんやろな。
 
 今年は道内各地とも雪が遅くて、今週末あたりにオープン予定の多くのスキー場は、けっこうやきもきしているみたいですわ。











 03/10/4(土)                 森の恵みでできた酒

 富良野は実りの秋を迎えておりまして、ヤマブドウ、コクワ、マタタビなどが各地で食べごろを迎えております。
 毎年この時期になるとこれらの実りを、森の神様から少しもろうて、果実酒を作るのが楽しみでおます。

 今年は、9月4日、ちょうど1ヶ月前に採ったチョウセンゴミシをしこんだ果実酒が、綺麗な赤色に染まりよりました。
 本当は3ヶ月から1年くらい寝かすと、ええあんばいになるらしいのですが、こうなるともう辛抱たまりません。
 少しガムシロップを加えて飲んでみると、すでに絶品!
 飲み頃を迎える3ヵ月後には、おそらくもうおまへんやろな。
 滋養強壮、疲労回復の薬用酒として体にも良いそうなので、これは定番で毎年作ろうかな、と思とります。

 ところで、どういうわけか年によって、すごく実りが豊かな年と、どこへいっても果実が見つからないような年があったりすんねんけど、今年は冷夏のせいでっしゃろか、少し実りが少ないような気がしますな。
 冬に備えて食料を貯蓄、あるいは食いだめをせんならん森の動物達は大変そうでんな。

 まあわしらは、こんな風に森の恵みを求めてフィールドに分け入りながら、季節や年ごとの変化などを体で感じつつやね、様々な森の出来事に日々思いをはせておるわけですわ。

 決して「おいしいお酒」をつくるために森へ入るんやおまへんで。念のためゆうとくけど。 






                            春の楽しみ

 フィールドの中に、何か食えるもんがあるっちゅうのが、ここらに住む魅力のひとつなんやが、春はなんちゅうても山菜やね。
 山菜採りは、3回楽しめますな。
 まずは地図を眺めつつやね、どの辺でどんな山菜が採れるやろかて、考えてるだけでワクワクしますな。
 それから実際に採りに行くわけやけど、アイヌネギなんか、これがまたどえらい急な斜面に生えてたりするわけだ。しかも、結構やぶこぎなんかもせんと、たどり着かへんかったりするし、ダニにくわれたりもする。熊の気配(春は冬眠開けでハラペコの熊も、山菜取りに夢中)が濃厚なとこへ入っていったりもする。
 ところがどういうわけか、これが楽しいんですわ。なんちゅうか「男の子」になるちゅうか、そんな感じ。これが第2の楽しみ。
 それから最後は、もちろん食す楽しみですな。
 アイヌネギは、本名をギョウジャニンニクちゅうんやけど、その名のとうりニンニク・ニラ系の好きな人にはタマランかおりがする。
 生で味噌をつけて食うも良し、保存用には醤油漬けにするも良し、もちろん餃子や卵焼きの具などにも良し。こちらでは、ジンギスカン鍋に投入するのもポピュラーやな。
 イラクサは、沢沿いになんぼでも生えとるんやけど、ちくちくした毛針を持ってはりまして、触れると痛痒タマラン状態になりますねん。別名を蕁麻草といい、蕁麻疹はこの草から付けられた名前ちうくらいのもんやから、採るには軍手が不可欠ですな。
 そんないやらしい草やけど、ゆがくとなんでもなくなり、アクもほとんどおません。味は、ホウレンソウにお茶の香りをつけたようなくせの無い味。これを食べたら、スーパーでホウレンソウを買うのがあほらしなりまっせ。
 コゴミはクサソテツの若芽やねんけど、以前住んでいた世田谷区の千歳烏山駅前のスーパー「よしかわ」では、15cm位のコゴミが10本一束で¥780で売られてました。税込みやとなんと¥819もしますねんで。んなもん買えまっかいな。
 それがこの辺やと、行くとこ行ったらなんぼでも生えとる。数十万円分くらいかたまって生えとる。
 これまたアクが無い山菜なんで、さっとゆがいて胡麻和えやマヨ和えにすると、えらうま。
 まあそういうことで、今夜も酒がすすむわけやね。